リアルタイム動画配信の準備(VideoCaptureと関連する機器)
デジタル屏風では、入力した音の周波数に応じて音量を調整できる音質調整スピーカーを開発しています。
◆リアルタイム動画配信の準備
(注)Video Capture製品の評価結果に基づき、記事の内容を更新しました(2020/6/30)。
高校野球の無観客試合のリアルタイム配信の準備をしています。リアルタイム配信の基盤は使い慣れたYouTubeを使う予定です。
まずは映像+音声をリアルタイムでYouTubeにアップするにはどうしたらよいかということで、以下の構成を考えました。
カメラ+VideoCapture+PC+モバイルルータ
まずはカメラの映像をPCに取り込むためにVideoCaptureが必要ということで、複数のVideoCaptureボードを利用してみましたが、ある製品はUSBエラーがたまに出るものがあり、都度OBSstudioの再起動等の対応が必要でした。現時点ではHSV321(約1万2千円で購入)が安定した動作をしています。
日本語マニュアル
◆Video Captureの接続機器構成
カメラ等はHDMIで接続し、PCにはUSBで接続します。PC以外にHDMI Loop outというインタフェースがあり入力した映像をリアルタイムでディスプレイに表示できるようになっています。
このVideo Captureを使えば、PC側にはHDMIインタフェースがなくともUSBインタフェースで映像が取り込めます。またカメラ側にはHDMIインタフェースが必要となります。筆者が持っているデジタルカメラではミニHDMIインタフェースを持ち、撮影時に映像をHDMI経由で出力する(HDMIスルー機能)ものがあるので、ミニHDMIーHDMI接続ケーブル(約500円)を購入し接続しました。
◆WEBカメラとデジタルカメラの撮影映像の違い
筆者はLOGICOOLの安価な(約2000円)Webカメラ(720P)を所有しています。
WEB会議などに広く使われていますが、屋外の映像を撮影するとデジカメとの違いにびっくりします。以下は同日同時刻にWEBカメラとデジカメのそれぞれの映像をPC上で再生しスクリーンショットを取ったものです。画面の色合いに注目です。
●WEBカメラで撮影した屋外の景色
●デジカメで撮影した屋外の景色
●WEBカメラで撮影した屋外の映像2
●デジカメで撮影した屋外の映像2
映像の色合いの違いがはっきりわかります。このため無観客野球の映像配信は是非デジカメで撮りたいと考えました。
◆映像配信カメラに必要な機能性(HDMIスルー機能)
映像配信としてデジカメを使う場合、撮影映像をリアルタイムにHDMIで出力できる機能が必要です。これをHDMIスルー機能とか背面モニタ同時出力機能とかと表現されています。多くのビデオカメラについてこの機能が実装されているようですが、デジカメについては一部しか利用できないようです。筆者が利用しようとしていたコンパクトデジカメもHDMIインタフェースを持ちますが、これは動画再生時に利用できるもので撮影時にできるものではありませんでした。筆者の所有している複数のデジカメを試してみるとCANON EOS KISS X7でHDMIスルー機能が実装されていることが確認できました。これでWEBカメラでは撮影できないようなきれいな動画配信ができる見通しです。
●HDMI-ミニHDMIケーブル(ヨドバシカメラで購入)
●CANON EOS KISSに実装されているミニHDMIインタフェース(下側)
◆撮影中のディスプレイ表示
HDMIスルー機能を持ったカメラを使う場合も多少課題があります。それは撮影時にディスプレイ上に表示される撮影時間や電池残量が配信画面に表示されてしまうことです。以下はOBS Studioの画面ですが、上の部分が配信される画面です。電池残量や撮影経過時間はできれば配信したくありません。一部のビデオカメラではこれらの情報が全く表示されないようですが、主流ではないようです。そこで筆者が考えたのはOBS Studioの表示枠指定機能を使って表示しない部分を除外することです。
◆撮影時間の問題
高校野球の試合は約1時間半くらいかかるのでこれをりあるタイムで配信するには以下のような課題があります。
◆カメラの最大撮影時間、バッテリー、メモリの問題
◆PCのバッテリー駆動時間の問題
◆モバイルルータのバッテリー駆動時間の問題
◆カメラの最大撮影時間、バッテリー、メモリの問題
動画の撮影時間は収録するメモリのサイズ、バッテリーの駆動時間に左右されます。メモリのサイズは動画の画素数に影響を受けますが今回はフルHDにて撮影することを考えます。バッテリーおよびメモリがクリアされたとして考慮しなけらばならない問題はカメラ自体が動画の撮影を連続でどれくらいできるのかという問題です。筆者が持っているデジタル一眼レフカメラでは最大29分となっています。一眼レフカメラを使うと広角レンズも使えるし、きれいな映像をとることもできます。カメラ屋さんの話では動画撮影で発生する熱から機器を保護するために撮影時間の上限を設けているとのことです。また外国に輸出するときに連続撮影時間30分を超えるカメラは高い関税が課せられるという話も聞きました。
最初はこの29分というのが動画リアルタイム配信のネックになってしまうと考えていました。しかしPC上のOBS Studioという無償配信用ソフトウェアは配信時に入力を簡単に切り替えることができるので、野球の好守交代などのタイミングでいったん別の画像に切り替え、その間に撮影を中断することで、この29分の壁は乗り越えられることに気が付きました。あとは撮影時間をカバーするのに十分なバッテリーとメモリがあればよいということで。バッテリー駆動時間は経年劣化するので新しいバッテリーを購入するなど事前確認が必要となりますが、大きな問題はクリアできました。
◆PCのバッテリー駆動時間の問題
PCのバッテリーも経年劣化します。PCのバッテリーのみの販売もあるので、フルに充電した状態からどのくらいの時間駆動できるのかについて事前確認が必要となります。筆者のPCでは4時間くらいは問題なく起動できます。
◆モバイルルータのバッテリー駆動時間の問題
筆者は下のような通信量無制限のUQモバイルルータを使っています。こちらのルータもフルに充電しておけば数時間は問題なく通信できます。