ステレオアンプキットで雑音が入るトラブルの解決策
デジタル屏風では、音楽に光が連動する光音競演コンピュータの開発を行っています。新製品を開発するためにステレオアンプキットを使って試作を試みているところです。いくつかのステレオアンプキットを試してみて、秋月電子のTA8207Kステレオオーディオアンプキット(約700円/個)が最も優れているとの判断をし、これを中心に評価を行っています。
このアンプキットを使って入力音声に応じたフィルタリングを作っているのですが雑音が入ってしまい、その原因を解決し安定した製品開発を目指していました。ところが最初は安定した動作をしていたアンプキット関連回路ですが、動作開始後に雑音が入ることが多く、その原因究明に時間がかかっていました。事象としては雑音がスピーカーから出力されるのですが、音が小さいときは雑音が小さく、音を大きくすると雑音が大きくなるといった具合です。この製品の説明書ではアンプキットに接続する電線の安定の必要性を強調していたため、電線の接続に問題があるという観点で念入り改善を試みてきました。電線の接続をハンダ付けして絶縁体でショートを防止するものです。しかし解決策は以外なところにありました。問題はアンプキットの放熱板の接地にありました。色々な箇所を鉛筆でつつき、接続状況を確認したところ、たまたま放熱板とアースが触った瞬間に雑音が消えたという偶然の事象からのヒントです。放熱板をアースに接続したところ従前よりも格段にスピーカーから出力される音量が大きくなり雑音がなくなったのです。電線の接続に問題があると思い込んでいたのに意外なところに問題点があったのです。
ちなみに本アンプキットの説明書には以下のような説明があります。「放熱Finに放熱器を取り付けてください。放熱器の電位がGNDレベルでしたら、放熱Finとの絶縁は不要です。」しかし実際には、放熱Finとアースを接続したときのみ問題が解決されました。放熱Finとの絶縁で解決するというのは正しいのか疑問でした。
いずれにしろこれで安定したアンプキットの製作が可能になりました。一時はストレスを強く感じましたが、今後は問題なく作業が進むことを期待しています。