屋外で人感センサーを使ってみる
デジタル屏風では、人間等をセンサーで検知して警告音声を発する監視警報装置を開発しています。
◆監視警報装置の屋外での検証
筆者の住んでいるマンションは川の近くにあるので、休日などは河原でバーベキューを楽しむ人達の一部が不法にゴミを投棄したり、立小便をしたりという迷惑行為が発生しているのです。その解決方法の一つとして監視警報装置を考えており、今回立小便の現場近くにセンサーを設置し試してみました。
立小便の現場は電気室の壁で、そこから2~3メートル離れた木にくくりつけたのです。実際に人が電気室に近づくとセンサーが検知し、音声プロセッサが「警察に通報します」という言葉を発し、LEDを点滅させるのです。
実際に使ってみると、電気室近くの通路を通る悪意のない通行者にも反応してしまうことがまれにありました。これは通行する人にとっては迷惑な話であります。また電池で起動している監視警報装置も電力を消費してしまい、電池がすぐに消耗する結果になります。
◆焦電型赤外線センサーの変更
対策として焦電型赤外線センサーを別の種類に変更することにしました。当初焦電型赤外線センサーは12メートル離れた人間の動作を検知できるPanasonic製PaPIRs(VZ)12mセンサー(秋月電子で520円/個)を使っていましたが、5メートル離れた人間を検知するPanasonic製PaPIRs(VZ)5mセンサー(秋月電子で500円/個)があります。
◆Panasonic製PaPIRs(VZ)12mセンサー(左)と5mセンサー(右)
これにより電気室近くを通行する悪意ない通行人に反応することはなくなるはずです。
◆焦電型赤外線センサーの検知方向
Panasonic焦電型赤外線センサーのデータシートには、検出範囲に関する記述があります。データシートには12mセンサーについて垂直方向92.6度、水平方向102.6度と記されています。水平と垂直方向で若干の違いがあります。これらの角度を意識し、ターゲットとする人影のみをキャッチするのは難しいことだと思いました。むしろセンサーの検知距離を5mに制限してターゲットにしていない人影をキャッチしないようにすることが現実的と考えたのです。またデータシートには、水平および垂直方向の検知の他に、Z方向(センサーと被検知対象を結ぶ直線方向)の検知に弱いことが記されています。センサーに人間が近づくときは、水平および垂直方向に検知する範囲が広がるのが普通なので、大きな支障にはならないと思いますが、念のための注意事項です。
◆焦電型赤外線センサーのハンダ付けの注意
Panasonic焦電型赤外線センサーのデータシートには、センサーをハンダ付けする際に350℃で3秒以内で完了するように注意があります。筆者は450℃のハンダごてを使っていましたが、熱によってセンサーが起こしくなってしまったようです。人間がいないのに常にセンサーが人を検知するようになってしまいました。LEDをハンダ付けする際と同様に熱を逃がす方法で対処し成功しました。