フーリエ変換を使ったアイディア工作(ラズパイマガジン2019年2月号)
デジタル屏風では、音楽に光が連動する光音競演コンピュータの開発・販売を行っています。お客様の困り事を解決する新しい製品を開発するため、色々と調査をしています。ラズパイマガジン2019年2月号に工作アイディア72作品として、2014~2017年に受賞した作品が掲載されています。いずれの作品も素晴らしく、困り事に注目して解決しようとしていることに関心します。
特に注目したのは、「来客のインターホンの音を検知 耳の遠い祖母のためのお知らせ装置」(大学生 中林北斗さん)です。
中林さんのおばあさんは耳が遠いので、普段イヤホンをつけてテレビを見ているとのこと。そこに来客がありチャイムがなっても気がつかないという困り事があります。そこで手のひらサイズのコンピュータ ラズベリーパイを使って、マイクから入力した音をフーリエ変換してチャイムの波長に合致したら、テレビの画面を来客を知らせる画面に切り替えるというものです。写真を見ると、マイクとしては低価格なUSBマイクを使っています。
音の強弱を波長に変換するフーリエ変換は素晴らしいアルゴリズムであると関心していますが、活用事例が意外に少ないと感じていました。筆者も手のひらサイズのラズベリーパイで、光音競演コンピュータとどう機能の試作を試みたことがあります。すなわち入力した音を瞬時にフーリエ変換し、もっとも主要は波長を識別し、相応の色の光を発するというものです。しかし、ラズベリーパイでは演算能力が不足しているため、音の入力とフーリエ変換を同時にごく短時間で行うということが出来ませんでした。光音競演コンピュータでは、音の入力とフーリエ変換をマルチコアのCPUを使って同時に行うことで、短時間での反応を可能にしています。中林さんの場合には、チャイムが鳴ってそれに対応するまでの時間が、それほど短い時間でなくても良いという要件のため、演算能力が比較的低いラズベリーパイで実現できたと考えています。
デジタル屏風でも今後は困り事に着目し、それを解決するような製品をリリースしていく予定です。