人感センサー(焦電型赤外線モジュール)の利用経験
デジタル屏風では、音の周波数領域に応じて音量を調整できる音質調整スピーカーを開発しています。
現在人感センサー(焦電型赤外線モジュール)を使った監視警報システムを開発中です。今回いくつかの人感センサーの評価を行ったのでその結果を報告します。
(2021年5月13日加筆)
◆人感センサーの種類
ラズパイマガジン2019年2月号には、表形式で9種類の人感センサーが紹介されています。最大計測距離として約10mある以下の3つのセンサーに注目しました。
①Parallax PIRセンサー RevB
②PaPIRs 12m EKMC160311
③SB612A
①Parallax PIRセンサー RevB
筆者が雑誌を参考に最初に使った人感センサーです。最大計測距離30フィート(約9m)。出力はデジタルのみ。販売価格は秋月電子で約1320円/個。
当該人感センサーにはOUT(出力)、VCC(+)、GND(ー)の3つのピンがあります。
人感センサーが反応すると、フレネルレンズ内の赤いLEDが点灯し、センサーが反応していることがすぐにわかります。価格が他の製品に比べてやや高いのが気になりました。
②PaPIRs 12m EKMC160311
Panasonic社の人感センサー。最大計測距離は12m。出力はデジタルのみ。販売価格は秋月電子で約520円/個。OUT(出力)、VCC(+)、GND(ー)の3つのピンを持ちます。フレネルレンズ内にLEDはなく、反応してもLEDが点灯することはありません。電源投入時回路が安定するまでの時間は30秒です。
当該センサーの反応状況をチェックするため、Arduinoを使って確認しました。Arduino のサンプルプログラムにDigitalReadSerialというプログラムがあり、ArduinoUnoの2番にセンサーの出力を入力すると、Arduino IDEのシリアル通信モニタ機能(画面右上の虫メガネのアイコンをクリック)を使って簡単に調べることができます。
センサーから読み取った値がリアルタイムで画面上に表示されます。0はセンサーが検知していないこと、1はセンサーが検知したことを表しています。
Aruduinoに接続されたセンサーが動いている人間を正しく識別することが確認できました。当該センサーは家電製品でも使われているとデータシートに書いてあったので製品の機能性については安心しています。
◆使用上の注意点(2021年5月13日追加)
本人感センサを上記のArduinoを使って検証したときに、人を検知しないはずなのにセンサがhigh(1)をときどき返す事象がありました。下に示すように、ごく短い時間で1と0に変化する事象です。
念のため同じことを①Parallax PIRセンサー RevBで実施したところ、人を検知していない状態では常に1を返していました。何かしらの原因でPaPIRs のセンサ機能がおかしくなったと推定しています。データシートの使用上のご注意のその他の取り扱いについてでは以下のような注意事項が記述されています。
1)レンズに汚れが付着すると検出性能が劣化する。
3)±200V以上の静電気が加わると破損することがあります。端子に直接手で触れない
4)リード線の半田付けをする際には半田コテ先温度350℃以下、3秒以内で行ってください。
6)ケーブル配線にて使用される場合は、ノイズの影響を防止するため、シールド線を使用し、極力短い配線を進めます。
これらの注意事項のいずれかに該当するのか、それとも違う原因なのか、はっきりはわかりませんが、今後検証していきたいと思います。
③SB612A
SENBA SENSING TECHNOLOGY CO., LTDの人感センサー。最大計測距離は8m。出力はデジタルとオープンコレクター。秋月電子通商で約500円/個。人を検知したかどうか(デジタル)の他に、データシートによるとLOADと呼ばれる出力があり、センサーの反応具合を出力するようです。これがオープンコレクターと理解しています。
上段に3つの出力ピンがあり、下にLOAD出力のピンが2つあります。
本センサーを2個購入し、チェックしましたが動作確認はできませんでした。原因はわかりません。PaPIRsで動作確認済のArduinoのシリアル通信モニタ機能を使って調べましたが、人体に反応せず、常に0が通信されていました。
本センサーには、明るさ、センサーの感度、遅延時間の調整つまみがあり、柔軟な対応ができそうでしたが残念です。
データシートは英語ですが、部分的に中国語が書かれており、漢字の読める日本人であれば意味を推察できるレベルです。