「電子回路が一番わかる」書籍紹介
デジタル屏風では、音楽に光に連動する光が連動する光音競演コンピュータを開発しています。お客様の困り事を解決するための新製品を開発するために、オーディオアンプキットの調査をしています。
市販のアンプキットを購入し、デジタル信号の入力とスピーカ出力の部分を計測および制御するための電子回路を作成しているところです。しかし安定したきれいな音が出ないのが現状であり、仮説を立てては検証するといった作業を行っているところです。いずれまとめてブログで公開したいと考えています。
そんなとき参考にしたのが「電子回路が一番わかる」(清水暁生著)です。本書籍では、電子回路の基礎から応用までわかりやすく説明されているのが特徴です。抵抗、コンデンサ、トランジスターの仕組みや役割について詳しく説明されており、電子工作を行う人には役立つ無いようとなっています。
特に注目したのが、「スピーカーを鳴らす回路」です。店頭で売られているスピーカーの出力について、10Wとか20Wとか記載されていますが、これらが消費電力であり出力される音の大きさや質とは直接関係ないことがわかりました。スピーカーに表示されているインピーダンス(4Ωとか8Ωとか)と電流の関係は、オームの法則で、
電流(A) = √ 出力(w)/インピーダンス(Ω)
で与えられます。計算すると、スピーカー出力:10W、スピーカーのインピーダンス:4Ωの場合、ルート(10/4=2.5)=1.6(A)となり、かなり大きい電流が流れることがわかりました。ハイパワーLEDの場合は最大で約0.5Aなので、約3倍の電流になります。ハイパワーLEDを光らせるのに、MOSFETを使って電流を増幅し、抵抗(15Ω)は大型のセメント抵抗(通常のリード線抵抗では焦げてしまう)を使い、部品もサイズも要したので、大きな電流を扱うための苦労があったからです。本書籍ではMOSFETについてもわかりやすく解説されています。
◆実際のMOSFET
また本書籍では、ACアダプターから得る直流電流が不安定であることも言及されています。この点については、筆者ももしかして不安定ではと思っていました。事象として現在試作中のアンプキットで、電池では動くが、ACアダプタだと安定しないという状況に直面したからです。本書籍で紹介されている3端子レギュレータの利用も検討したいと考えています。