■複数のPCで同時に動画再生を実行

音楽や映像の空間的広がりは、見る人や聞く人に強い影響を与えます。複数のPCで同時に動画や音楽を再生することで新しい体験ができると考えます。同じ曲でも、演奏または歌唱する音が違う、映し出される映像が異なるものであれば、今まで体験しなかった新たな空間的な広がりが体験できるのではないでしょうか。下の写真は2人の歌手がデュエットする様子を、各々の歌手ごとにPCを割り当てて再生した様子です。人物が大きく映っている方で歌手の声が再生されています。他方では演奏のみ再生されています。音の波長を瞬時に捉えて、LEDの光を変える光音競演コンピュータを各PC上で動作させながら、映像と音楽を空間的広がりの中で楽しむことができます。

実際の2PCでの動画同時再生は以下のようになります。

■最大約0.3秒のばらつきで複数のPCで動画を同時再生

デジタル屏風では、以下の環境でデジタル屏風の作った複数PC時刻合わせツール(PCと標準時計の時間差を考慮して動画再生プログラムを起動する)を使って、最大約0.3秒のばらつきで動画を再生することに成功しました。

◆動作環境

NEC VersaPro VK27M(Intel Core i5-3340M 4GB RAM、インターネットに接続)

Windows 10 Pro 1809

VLC Media Player 3.0.3(USBメモリに格納)

デジタル屏風の開発した複数時刻合わせツール(C++プログラム)。

◆動画再生方法(USBメモリに格納)

以下の3つの動画を連続し繰り返し再生する。

動画A(フルHD、再生時間:3分30秒、ファイルサイズ358MB)

動画B(フルHD、再生時間:3分30秒、ファイルサイズ371MB)

動画C(フルHD、再生時間:5分09秒、ファイルサイズ507MB)

◆動作条件

Windows起動後10分以上経過して、Windows UpdateなどのOSプログラムが走行していない状態を準備して実行する必要があります。

◆複数PC時刻あわせツールの仕様

各PCとネット上の標準時計の時間差を計算し、標準時計の00秒もしくは30秒の時刻に動画再生を開始するものです。約0.3秒のばらつきは、PC上での動作再生プログラム(VLC MediaPlayer)の起動時間がばらつくためです。本ツールの利用には、PCの性能が関係しており、PCの性能が高ければより正確な同時実行実行が可能となります。