3Dプリンタによる光音競演コンピュータの筐体作成
音楽に光が連動する光音競演コンピュータの3Dプリンタによる筐体作りが完了しました。そもそもは販売委託の依頼先である3月うさぎの森さんの助言により、アクリル板をねじ止めした構造から、ねじの頭が出っ張らないプラスティック構造物への変更が起因でした。
ねじの頭が出っ張らない筐体を実現するためにプラスティックメーカーに見積もりを依頼したところ、最初の業者は2Wではできないとの回答、2社目は1台あたり予算の約10倍という見積もりでした。そこで3Dプリンタを代替案で検討したところ、5万円程度で3Dプリンタ本体が購入できることがわかり、最も人気があると言われていた家庭用3Dプリンタを購入した次第です。3Dプリンタに関する前知識はほとんどありませんでしたが、2018年8月のMaker’s Fair Tokyoで地球儀型のランプヘッドが300円で販売されていたことから、それほど高価格ではないのではと着目した次第です。
購入した3Dプリンタは製品に付属する説明書が英語と中国語のみで、大丈夫か?との心配がありました。水平出しと呼ばれる樹脂抽出ノズルと台の位置調整がうまく行かず、販売元に質問したところ、日本語でのサポートドキュメントがあり極端に心細い状況からは脱却した次第です。
水平出しがうまく行ってからはほぼ順調に作業が進みました。全く経験の無かった3DCADのソフトですが、市販本を頼りに1週間で目的の設計図を作ることができました。
しかし実際に作成してみると、電子回路を搭載した板を打ち付ける釘の頭の1mm単位の長さの調整やねじ穴のサイズの変更などで3回の作り直しが必要でした。もしプラスティック業者への発注を1個1万6千円で30個で発注したいたら50万円の散財となっていたでしょう。3Dプリンタ利用への見直しは意味のある決断でした。
その後すべてが順調ではありませんでした。プリント時間が1回10Hということとあり、夜間に実行しているのですが、樹脂のリールが絡まり、樹脂の吐出が停止してしまうという事態が発生しました。樹脂の吐出が止まってもノズルは動き続けたのです。その結果以下に示すような実完成ができたのです。これによって樹脂のリールが無くなったときにどのような動きになるのかが理解できました。
樹脂のリールが止まったときには、人間が気がついた時点で作業を中断し、新しい樹脂リールで再度初めから作業を実施しなおす必要があるのです。今回遭遇した自邸では、樹脂がからまって樹脂の供給ができない状態で、ノズルから樹脂を一旦外す必要があったのですが、外すのにも何回かプリンタを再起動し、再度樹脂を挿入する際にも何回か3Dプリンタを再起動しないとうまく入らなかったという経験があります。こんな苦労の末に従前の光音競演コンピュータよりも見違えるほど良い筐体ができあがりました。