補聴器・集音器における最大音響利得について
デジタル屏風ではフーリエ変換を使って音楽にあわせて光の色を変える光音競演コンピュータの開発・販売を行っています。お客様の困り事を解決する新しい製品を開発するため、加齢による難聴について調査しています。難聴にかかわる雑誌で、高性能イヤホン型集音器の広告があったのであったので、試しに買い求めてみました。製品名:効聴、アネックス株式会社製、6,990円。
使ってみると確かに音が大きく聞こえます。周波数をHI(200~12,000Hz)とLOW(200~4,000Hz)に切り替えることにより集音対象周波数を切り替えることができます。微妙に聞こえ方が変わりますが違いがよくわかりませんでした。またイヤホンを使うというのが使う上ではちょっとわずらわしい。常時使うのにはハードルが高いという印象です。
説明書に書かれた仕様を見ると、最大音響利得という値があります。これは入力された音圧に対して、どれだけ音圧をプラスするのか、その最大値を表し、補聴器や集音機の性能を表します。日本補聴器販売協会の資料によると、ある補聴器の機能が以下のようなグラフで表されるようです。
音圧レベル(dB)は、その音を聞く耳の位置と関係するので、部屋の中や室外で相応の距離で聞く音圧レベルと、補聴器と耳の距離で聞く音圧を比較しているのでしょう。たとえば上のグラフでは、1000Hzの50dBの音を75dBくらいの音圧レベルで出力しているので、音響利得は75-50=25dBということになります。この音響利得が大きければ大きいほど小さい音が聞こえやすくなります。
筆者の母は加齢による難聴で50dB以下の音は聞こえない中程度の難聴と診断されたので、50dB以下の音を如何に50db以上に引き上げるかが補聴器の課題となります。筆者の購入した上記集音器では、最大音響利得が45dBのため、5dB以上であれば5+45=50の計算で、聞こえる音圧レベルに引き上げる可能性があります。最大値なので常に音響利得が45dBとはならないのでしょう。
これらの数値が補聴器やや集音器の機能を判断する数値となります。