音声の発話の仕組み(文献「音響学入門」から)

デジタル屏風では、周波数領域ごとに音量を調整できる音質調整スピーカーを開発しています。

加齢による難聴を克服する手段として、人間の聴力を補助する手段を調査しています。そのため聞くことも重要ですが、音声はどのように発話されるのかも重要です。この観点で「音響学入門」(コロナ社)を調べました。

当文献には、発話の仕組みについて以下のような記述があります。「声の元になる音を発生させる器官が声帯である。声帯は左右2枚の膜からできており、その膜の間を呼気が通るときに声帯が振動することによって音が出る」「声帯から出る音は母音や一部の子音の元になる(一部略)」「この振動の形態は、弦楽器の弦と同じように、肺内の圧力、声帯の長さ、膜の重さ、膜を引っ張る力によって決まる」

また発話の周波数を解析した時に周波数スペクトルの概形に見られるピークをフォルマントと呼びます。

■男性と女性の声の違い

我々は声を聴いた瞬間に、その声が男性のものなのか、女性のものなのかを多くの場合間違いなく判断します。

「フリーソフトを用いた音声処理の実際」(石井直樹著)には、「恋声」というフリーソフトが紹介されています。このソフトは男性の声を女性の声に、女性の声を男性の声にほぼリアルタイムで変換できます。その原理はおおまかに言って、男性の声を女性の声にするには音の周波数を約2倍にし、女性の声を男性の声にするには周波数を約半分にするというものです。良く女性の声は高いといいますが、音の高低が女性と男性の声を主に特徴付けているのは驚きです。しかも人間の声帯の仕組みは男女とも共通なのに、肺内の圧力、声帯の長さ、膜の重さ、膜を引っ張る力のいずれかが大きく違うのでしょうか?その答えは見当たりませんでしたが、興味深いです。

■声の個人差

前記「フリーソフトを用いた音声処理の実際」には、歌手のMay J.がアカペラでコマーシャルソングを歌っている音声を波形とスペクトルで分析した結果が書かれています。「基本波は400~760Hzの間にゆるやかに変化し、極めて多くの倍音(10~28次)が生成されていることがわかる」とあります。基本波は音程に合致しながら、多くの倍音が発せられることが歌声の美しさとして認識されるのでしょうか。人間の発声器官をどのようにコントロールして実現できるのか興味深いところです。

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