デジタル屏風では音楽に光が連動する光音競演コンピュータの開発・販売を行っています。加齢による難聴の困り事をコンピュータを使って解決できないか調査をしています。

加齢による難聴では、相互に関連する音の周波数と言語の識別能力の2つの面について考慮する必要があります。下のグラフは「よくわかる補聴器選び」(八重洲出版)に書かれているオージオグラム(聴力図)です。縦軸に聴力レベル(dB)、横軸に音の周波数がとられており、バナナ型をした範囲(会話域またはスピーチバナナ)が日常会話でしゃべる音の範囲を表しています。さらに母音や子音が周波数や音圧レベルによりどこにプロットされるのかを表しています。赤い実線が難聴の聴力を表し、点線が補聴器で矯正された聴力を表しています。さらに生活音の音圧レベルがグラフ中にシンボルで表されています。

スピーチバナナについては、通常会話における代表的な音圧レベルということでしょう。そうでないと50dB程度の聴力レベルを持つ中程度の難聴者は補聴器なしには全く会話が聞き取れないことになってしまいます。

ここで注目したいのは一口に聴力レベルといっても、周波数で特徴付けられるものと、発音(母音や子音)によって特徴付けられるものがあるということです。母音はエネルギーが大きいのでよく聞こえるのですが、子音はエネルギーが比較的小さく高音域に位置づけられることが多いので、聞き取りにくいものがあるということです。どの子音が聞きづらいのか明らかになり、意識できればそれなりの対策になるような気がします。

会話における聴覚識別能力で関連するポイントは、文脈の力と口の動きです。筆者の母が加齢による難聴で補聴器を購入するため補聴器屋で検査を行ったとき、会話の識別能力のテストでは、検査者が紙で口を隠し、文脈に依存しない文を読み上げていました。ここで言う文脈とは「さくらが咲いた」は文脈がありますが、たとえば「さくらが泳いだ」は文脈がありません。こういった文を読み上げることで文脈の力を排除した聴力の検査を行っているのです。

逆にいうと日常生活では文脈の力や口の動きで聴力を補っている場合も多いことが想定されます。また補うことも可能と考えられます。

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