デジタル屏風では、音楽に光が連動する光音競演コンピュータの開発・販売を行っています。加齢による難聴など、コンピュータとセンサーを使って困り事を解決する製品が開発できないか、関連書籍を調査しているところです。今回注目したのは発語の周波数観点での特徴です。参考にしたのは、「よくわかる音響の基本と応用」(岩宮眞一郎著)です。この書籍の中で母音のホルマント(エネルギーが集中するところ)について、「あ・い・う・え・お」のそれぞれについて横軸に周波数、縦軸に音圧レベル(dB)をとってグラフが描かれており、特に第二ホルマントが母音を特徴付けるということで書かれています。

このグラフを見ると「い」と「え」は波形が似ていると感じました。筆者の地方出身の父は「い」と「え」の区別がうまくつかず、「江戸」といっているのに「いど」と聞こえるのです。いつも「い」と聞こえても「え」ではないかと推測しながら聞いていたものです。

それと「う」の音が音圧が低いのが印象的です。「う」は口ごもる印象があり、それが音圧にも表れているのでしょう。

4KHzあたりは加齢による難聴で聞きづらくなる領域です。どの周波数が聞きづらくなるとどの母音が聞きづらくなるのか、関連があり、必要な対応が変わってきそうです。

ご存知のように楽器には音階があり、それぞれに主となる周波数が対応しています。たとえば「ラ」の基本周波数が440Hzのように。歌を歌うときは、この音階に併せて歌うので、基本周波数は楽器の演奏に合わせて適宜ずれていくはずです。上の図のように固定的な周波数ではないはずです。加えて同じ音階でも対応する歌詞によって周波数的に違いがあるというのは興味深いです。

本書では、基本周波数をずらしたときに、第二ホルマントの絶対周波数を維持するのが、母音らしさを維持するのか、それとも波形を維持するのが認識しやすいのかについて書かれています。結論からいうと、絶対周波数を維持するのが元の母音らしさを維持するとのことです。

これは加齢により高い音が聞きとりにくくなった難聴者に対するアプローチとして重要なポイントを意味していると思います。発語に関しては、高い音を認識しにくい人に対して周波数をシフトさせることよりも、絶対的周波数はそのままとして音圧レベルをあげることにより言葉の認識はしやすくなるということです。補聴器の重要な機能性として周波数ごとの音の強化というものがありますが、この機能がないと発語の認識が難しくなるという想定です。

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